2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

論客動画

デリダを検索したのがきっかけで、ほかにもあれこれ調べてみた。 2007年11月のオックスフォード大学における"Beyond the Trinity of Capital, Nation and State"という柄谷行人の講演。タイトルからして『世界共和国へ』(ISBN:4004310016) あたりを踏まえ…

Derrida avec iMac

YouTubeを検索していたら、こんな動画を見掛ける。『マルクスの亡霊たち』に関するジャック・デリダのインタビュー。字幕はイタリア語。 長らく肖像写真を公表しなかったのが嘘ではないかと思えるほどデリダの写真や動画はネット上に大量に出回っているわけ…

格差社会を痛感

いよいよ引越しの準備に本格的に取り掛かる。行政上の手続きや衣食住に関するものの梱包はだいたい済ませてあるのだが、問題は本の選別である。1DK(5.5畳と7畳)のアパートにいま持っている本をすべて運び出すのは不可能で、実家に残しておく本と、東京に持…

万延元年の同時代ゲーム

コメント欄で「それは『万延元年のフットボール』ではなく『同時代ゲーム』ではないか」と指摘された "Le jeu du siècle" だが、Oe Kenzaburo - Wikipédiaで確認したところ、やはり『万延元年のフットボール』で正しいことが確認できた。『同時代ゲーム』は …

本ノイローゼ

私は、これまで二度「本ノイローゼ」にかかった経験がある。一度目は大学院に入学したころで、「比較文学比較文化」という専攻のその大学院は、きっと博覧強記の人物がたくさんいるに違いないと思った私は、自分があまりに無知であることに恐怖を抱き、「名…

「一歩と三歩の小さな部屋」

「この椅子から歩いて二歩」と書いて思い出したので、くだらぬ話題を付け加える。坂口安吾のエッセイ「教祖博覧会」(いささかステレオタイプ気味の前衛芸術批判だが、それでも「絵具代をだしてくれたのは誰か、ということが主として気にかかる絵」など、各…

魔都青空文庫収録祈願

久生十蘭の著作が青空文庫に収録されはじめたと知り、タイトルに惹かれて「昆虫図」なる掌編を読む。なかなかの傑作だが、どうにも前に読んだことがある気がして落ち着かない気分になる。と、たったいま底本を確認したら、創元推理文庫の『日本探偵小説全集…

申告盛り

確定申告用の書類一式が届く。売れない作家が「申告漏れ」ならぬ「申告盛り」をやるというギャグがいしいひさいちの漫画にあるが、これは実際に確定申告を経験した人間でなければ笑いの勘所が判らないかもしれない。あまりにも去年の総収入が少なすぎると情…

上越・東北/東海道・山陽

いつかは書こうとしていて、書き忘れていたことを書く。 「一九九〇年。四月一日。上野午前一〇時〇八分発新潟行き新幹線自由席。二人がけの座席を向かい合わせにして腰を下ろした四人の男たち」の光景を「夜の酒場の戯れがそのまま列車の座席や温泉宿の酒卓…

読むことと喋ること

実用フランス語検定試験の二次試験を受ける。試験の形式が自分が想像していたものとは若干異なっていたので戸惑う。口頭での質問に筆記で回答するのだと思っていたら、質問も回答も口頭であった。筆記ならまず間違えたり戸惑ったりしない箇所で大いにもたつ…

「少女を可愛いと感じる事に我らは誇りを持っておるのだよ!!」

ラブやん(9) (アフタヌーンKC)作者: 田丸浩史出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/01/23メディア: コミック クリック: 38回この商品を含むブログ (76件) を見る上の文章でみすず書房を文系、青土社を理系に分類したが、考えてみたら自然科学系の本をより積…

文系、理系、体育会系

「言ってしまえば世の中全ての物事は、理系・文系・体育会系の3つに分類されるのです!」と主張する絶望先生のひそみに倣って(単行本第七集より)、いろいろなものを分けてみる。文句を言われても無視する。 ジャンル 文系 理系 体育会系 ビール キリン サ…

影の医者

手塚治虫の『ブラック・ジャック』および佐藤秀峰の『ブラックジャックによろしく』についてフランス語で記事を書くことになったのだが、「無免許の開業医」をどう訳したいいのか判らずに往生する。そこでBackjack (manga) - Wikipédiaを調べたのだが、ブラ…

独歩と乱歩とハイレッド・センターと金大中

「21世紀的なもの」として「国木田独歩7世」が登場するのが、『さよなら絶望先生』でオレがいちばん気に入っているギャグである。なぜそんなに面白いのか。まず漱石でも鴎外でも藤村でもなく独歩という作家のセレクトの絶妙さ(しかもそれに言及しているのが…

フリーライター崩れ

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/01/22メディア: 新書 クリック: 41回この商品を含むブログ (75件) を見る読了。坂口安吾やジョン・ライドンやカート・コバーンにわが身を投影し…

卓越化なんて知らないよ

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/01/22メディア: 新書 クリック: 41回この商品を含むブログ (75件) を見る推理小説を以前ほどには熱心に読まなくなりつつあるが、法月綸太郎、京…

韓国がたくさん

日本映画と戦後の神話作者: 四方田犬彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/12/19メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (15件) を見る読了。気に留まった点をメモする。オレは映画よりも文学に興味があるので、いきおい文学関係の話題が…

À la recherche du lecteur perdu

失われた時を求めて フランスコミック版 第1巻 コンブレー作者: ステファヌ・ウエ,マルセル・プルースト,中条省平出版社/メーカー: 白夜書房発売日: 2007/11/20メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 46回この商品を含むブログ (29件) を見る近所の書店…

本日の非―読書

http://www.amazon.fr/dp/2070110966 アルトーの画集にデリダが解説を寄せたもの。パリに短期滞在しているとき(このときデリダは存命中だった)にネタ的に買い、一昨日あたりから本腰を入れて読もうとするも、最初の段落でいきなり躓く。だからといってオレ…

甘粕冤罪説?

今日はもう日記を更新しないつもりだったのだが、四方田犬彦『日本映画と戦後の神話』を読んでいたら、「ちょっと待てよ、おい」と言いたくなる文章に出喰わしたので、報告する。「李香蘭とは誰か?」のなかで、彼は次のように書いている。 2.李香蘭をめぐ…

本日の誤訳

この日付の日記でmousmé - Wikipédiaを意訳したが、昨晩になって「意訳といってもこれはひどい」という点がいくつか見付かったので、訳し直した。すでにブックマークしているひとは、新訳(大袈裟だよ)を読み返していただきたい。

本日の読書

公明党vs.創価学会 (朝日新書53)作者: 島田裕巳出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/06/13メディア: 新書購入: 1人 クリック: 44回この商品を含むブログ (26件) を見る日本映画と戦後の神話作者: 四方田犬彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/12/1…

シャーマンとオーガナイザー

昨日からこだわっている「シャーマンとしての女性とオーガナイザーとしての男性」という役割分担だが、あまりにも判りやすい例をブックマークしていたので紹介する。 ご覧のようにこの曲は元ちとせが歌唱、坂本龍一がアレンジと演奏を手掛けているわけだが(…

「かわいい」とフェミニズム

昨日の日記のコメント欄で、オタク向けの文化商品には「天然ボケ的な女の子を、優等生的な男の子がフォローする」話型が多いと書いた。この時点で念頭に置いていたのは『涼宮ハルヒの憂鬱』と『撲殺天使ドクロちゃん』(いずれも原作となったライトノベルの…

今日買わなかった本

女になりたがる男たち (新潮新書)作者: エリックゼムール,´Eric Zemmour,夏目幸子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (12件) を見る著者が「フィガロ」紙の記者だという時点で、どんな内容…

今日買った本

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)作者: 島田裕巳出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/11/01メディア: 新書購入: 14人 クリック: 383回この商品を含むブログ (174件) を見る日本の新宗教を扱った本としては山口文憲『日本ばちかん巡り』(ISBN:4104516015)と…

La Belle étoile

美しい星 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (71件) を見るおっと、いまではこんな表紙になっているのか。奥付が昭和63年5月になっている(ということは高校の…

著名人の履歴書

昨日、一昨日とあたふたと練馬と江古田を往復して、おまけに昨日は三軒茶屋にまで行ってきて疲れたので、今日は江古田で休養。ブックオフと竹島書店に寄って、いろいろと物欲を刺戟されるも、帰りの荷物の多さを考えて何も買わないことにする。 友人と電話(…

情報ハブ?

夕食は江古田駅前にある日本で唯一のイスラエル料理店(らしい)シャマイムで食べる。相変わらずうまいが、日本人の胃袋にはいささか量が多すぎるのだけが難点。あとは店内に貼り出されているイスラエルの地図が、パレスチナ自治区などはないことになってい…

西日本漫画ふたつ

アパートの物件探し(「ペット可」になると、いきなり選択肢が減る現実に泣く)のあと、江古田駅前の竹原書店に寄る。相変わらず漫画の品揃えが妙にいいな、この店は。京大M1物語 1 (ビッグコミックス)作者: 稲井雄人出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/12…