La Belle étoile

美しい星 (新潮文庫)

美しい星 (新潮文庫)

おっと、いまではこんな表紙になっているのか。奥付が昭和63年5月になっている(ということは高校の終わりか大学の教養課程のころに買ったのだろうか)文庫本をいまさら読了。今年は三島未読作品消化年間になりそうだ。飯能の火星人と金星人と木星人と水星人の家族、金沢の金星人(自称)の青年、仙台の白鳥座六十一番星人三羽烏の物語。三島なら現実の事件に材を求めていない作品のほうが、オレの好みに合うようだ。
なおこれは三島由紀夫が書いた唯一のSF小説ということになっているが、安部公房がSF的であるように、SF的であるわけではない。これは解説を書いており、みずからもSFのよき理解者であった奥野健男も認めている。それではどこがどう違うのかと問い質されると、SFファンにありがちな秘教的な物言いに終始せざるをえないのだが。
そんなわけで話をずらすと、こちらの「美しい星」はどうなってしまうのだろうか。