2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

総括

2006年がもうすぐ終わりそうなので、何か総括めいたことを書こうと思ったのだが、10月19日にアパートの階段から転げ落ちて頭蓋骨骨折と脳出血で入院した時点で今年は実質的に終わり、激しいリンチの末に山中に埋められたようなものなので、いまさら書くこと…

ムシャとグシャ

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)作者: 野村美月,竹岡美穂出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2006/12/25メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 90回この商品を含むブログ (304件) を見るコミカルな前半部分で読者をぐっと惹き付け、登場人物の…

昨日は

オレの誕生日であった。しかし日記にはそれらしいことを書くのを忘れていた。36歳とは、これまたシャレにならない年齢に突入したものだ。

さくらのその

自分の日記でHopeless Homeless - 吉田秋生への違和感に言及して以来、吉田秋生の代表作はひとつくらい読んでおいたほうがいいという気になり、友人の薦めもあって『櫻の園』を購入した。櫻の園 白泉社文庫作者: 吉田秋生出版社/メーカー: 白泉社発売日: 199…

「カヲル君って呼んでいいですか」

妄想少女オタク系 2 (アクションコミックス)作者: 紺條夏生出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2006/12/12メディア: コミック購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (73件) を見る主人公が特殊な属性(この作品なら「腐女子」)を持っているラブコメは…

破綻して悪いか

ちなみに上のニュースで、吉野は次のようなことを言っていた(いい加減な記憶に頼って再現しているので、引用するときにはご注意を)。 「安吾の『街はふるさと』は長篇小説としてあきらかに破綻しています。でもそこがすごいんです。綺麗に『オチ』が付く人…

灯台下暗しもいいところ

夕方のローカルニュースを観ていたら、「坂口安吾展」を開催中の新津美術館で、安吾をテーマにしたライブが開かれたのが報じられていた。内容は何と、向井秀徳と吉野寿のギター弾き語り。うわ、事前に知っていたら絶対に行っていたよ、これ。ライブの模様も…

著作権が切れる利点

森茉莉ファンの知人に聞いたのだが、父親の森鴎外の著作権が切れ(当時の著作権保護期間は30年くらいだったとか)、収入を得る手段がなくなった途端、彼女は生活のために創作活動を開始したそうだ。あまりにも例外的なケースだが、著作権の保護期間が切れた…

今回の準拠枠は『友情』

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)作者: 野村美月,竹岡美穂出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2006/12/25メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 90回この商品を含むブログ (304件) を見る「ブギーポップ」や「マリみて」や「ハルヒ」でさえ第1…

アングロ・サクソンと音楽

もう10日くらい前になるが、「ある種のインテリ文化系男子のあいだでは、『黒人音楽は白人音楽よりも優れている』という前提が無自覚に共有されているのではないか」と問うた友人がいた。オレはインテリでも文化系でもなく、所有しているすべてのCDのうちで…

或る妄言

北朝鮮に核放棄させたかったら、まずは六ヶ国協議に参加しているアメリカとロシアと中国が先に核放棄したらどうだろう。そうすれば、「じゃ、ついでにオレも」という気持ちになるかもしれないではないか。そもそも核保有している国なんて、少なければ少ない…

戦争なんて終わらせようぜ

ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - ハッピー・クリスマス(戦争は終わる) http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20061224 オレも何かの本で指摘されるまで気付かなかったが、「あなたが求めたように/戦争は終わった」は誤訳であって、「あなたが求めさえす…

目玉の話

マダム・エドワルダ/目玉の話 (光文社古典新訳文庫)作者: バタイユ,中条省平出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/09/07メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 58回この商品を含むブログ (108件) を見る光文社文庫が西洋古典の新訳に力を注いでいる話は知ってい…

お疲れさま

げんしけん(9) (アフタヌーンKC)作者: 木尾士目出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/12/22メディア: コミック購入: 1人 クリック: 32回この商品を含むブログ (197件) を見る近所の書店に初回限定版がなかったので、通常版を購入。オタク文化について真面目…

新書ベスト5

年の瀬であり、もう漫画以外の本を読みそうにもないので、活字の本の年間ベスト5を選んでみる。といっても今年は体調不良や入院が重なり、何とも貧寒たる読書生活しか送れなかった。とりわけ専門書や小説の読書量はひどい有様なので、選ぶ対象は教養系の新書…

本日の注文

わが家の近所にある書店は、品揃えがいいのか悪いのか判断が付かない。意外なものが平積みになっているかと思いきや、「これは」と思う新刊が見当たらないこともある。郊外型の大型書店としては頑張っているほうなのだが(住民に学生が多いからだろう)、そ…

太宰再入党

絓秀実(文字化けしていたら申し訳ない)『1968年』(ISBN:4480063234)をようやく読了。著者の個人的見解が強く押し出されており、おまけに耳慣れない人名や団体名が飛び交うので、いささか消化不良気味。オレの知識不足が悪いのだ。ちなみに読んでいていち…

手話

施設にいるあいだ、自分には手話ができないのをもどかしく感じた。先週、ボランティア初心者向けの講習会で手話の基礎を学び、その合理性と体系性に感動したのだから、これも時間があったら学ぼう。「合理性と体系性に感動」なんていう頭でっかちな理由では…

オレの職能?

「社会復帰」の第一歩として、家からバスで10分ほどの施設でボランティア活動をすることに。内容は障碍者や高齢者のためのパソコン教室。教室というと予備校みたいな整然とした環境を想像するが、実際にはミーティングルームの一劃でそれこそボランタリーに…

ニュースに貴賤はない?

すでにいろいろなひとが指摘しているかもしれないが、最近の「報道ステーション」は社会的・政治的に大きな影響のあるニュースではなく、「市井の大事件」めいたものをトップで報じることが多い(そしてこの時点でテレビのスイッチを切るので、ほかにどのよ…

所詮は男性

Hopeless Homeless - 吉田秋生への違和感 http://d.hatena.ne.jp/akio71/20061215#1166159381 とても興味深い記事だが、吉野朔実とよしながふみにはそれなりに詳しいが、メインで論じられている吉田秋生には疎く、「インテリ男性やサブカル好き男性が誉める…

著作権/著作物

著作権保護期間延長賛成派の意見がどこか「ズレて」感じられるのは、著作権の問題と著作物の問題が混同されているからだ。著作物の保護にはオレも全面的に賛成する。とりわけ保存状態の悪い音楽作品や映像作品をデジタル・アーカイブ化するのは、デジタル技…

ヒマのつぶし方

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)作者: 中島らも出版社/メーカー: 講談社発売日: 1994/03/04メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 112回この商品を含むブログ (288件) を見るほぼ著者の実体験にもとづいているようで、強烈なエンターテインメント性はない。…

Nの高原

朝日新聞を読んでいたら、下のような記事が目に入った。表記を一部変更して、冒頭だけ引用。 苗場スキー場に日帰りスキーセンターがオープン 23日9時、新潟県湯沢町三国の苗場スキー場。日帰り客のための施設「N-Plateau(エヌ・プラトー)」がオープンする…

「Tシャツから入るなんて、許されないわ」

さよなら絶望先生(6) (講談社コミックス)作者: 久米田康治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/12/15メディア: コミック購入: 6人 クリック: 33回この商品を含むブログ (234件) を見る今回の巻では第1話のオチがいちばん笑えた。しかしチェ・ゲバラと毛沢東…

幕末と転向

オレは歴史はだいたい好きなのだが、幕末期の日本史にはあまり興味がない。名前は知っているが、何をやったのかはよく判らない人物がたくさんいる。幕末から明治初期にかけての日本を過剰に礼讃する一部の知識人に反撥を感じているので、といった大仰な理由…

うつし世は夢

昨日の午後から今日の午後にかけて、東京に滞在していた。何しろ先月まで住んでいた土地であり、おまけに原因不明の慢性の下痢に悩まされているので(諸症状からして、ノロウィルスではない模様)、観光やグルメに時間を割く気にはなれず、本来の予定である…

著作権保護期間は延長すべきか 賛否めぐり議論白熱

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/12/news063.html このシンポジウムが開かれるとはやめに知っていたら、上京の予定を繰り上げていたところであった(仕事の打ち合わせなどがあり、13日と14日に上京するのだ)。 そんなことはともかく三田誠広の…

まさしくこれは戦争です

実録!関東昭和軍(1) (モーニング KC)作者: 田中誠出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/22メディア: コミック購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (24件) を見る「ヘタに知的好奇心なんぞ持つと自分の立場や現状に疑問を感じるようになるか…

東京さ行くだ

新潟に強制送還(笑)されてから1ヶ月強、毎日のように「はやく東京に復帰したい」とわめいているオレだが、福井県在住のミステリ作家、殊能将之の日記を読んでいると、「地方でマイペースで生活するのも悪くないか」と思えてくる(仕事さえあれば、の話だけ…