七瀬が正しく映像化される

家族八景 上巻 (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-1)

家族八景 上巻 (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-1)

家族八景 下巻 (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-2)

家族八景 下巻 (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-2)

上巻まで読了する。
筒井康隆は映像化しやすい小説家だと思われがちだが、原作に忠実にして映像化して成功したものは、あまりない。とりわけ「七瀬三部作」の主人公は浮世離れした美女であり、どんな俳優やキャラクターデザイナーが手掛けても、嘘臭くなってしまう。
ゆえに清原なつのが「七瀬三部作」の第一作である『家族八景』を手掛けると知ったときには不安になった。彼女は決して上手な絵を描けるタイプではないからだ。しかしセックスや恋愛に対する鋭い洞察や心理描写のたくみさにおいては彼女以上の適任者はなかなかなく、また国内外を問わずSFに関する造詣が深い。これはまさに適任であり、そして期待を裏切らない内容であった。『家族八景』以降の作品も漫画化されるのだろうか。
家族八景 (新潮文庫)

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七瀬ふたたび (新潮文庫)

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エディプスの恋人 (新潮文庫)

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