著名人の履歴書

昨日、一昨日とあたふたと練馬と江古田を往復して、おまけに昨日は三軒茶屋にまで行ってきて疲れたので、今日は江古田で休養。ブックオフ竹島書店に寄って、いろいろと物欲を刺戟されるも、帰りの荷物の多さを考えて何も買わないことにする。
友人と電話(都内に滞在しているのに直接会わなかったのは、向こうが仕事に追われていて外出もままならなかったからである)で、「著名人の履歴書」という馬鹿話で盛り上がる。たとえば芥川賞を受賞したひとが文筆だけでは生活できなくなり、アルバイトを探すときには、賞罰欄に「平成○年、第○回芥川賞受賞」と書くのだろうか。そして採用側はそれを信じるのだろうか。あるいは澁澤龍彦赤瀬川原平は履歴書に職歴らしい職歴が書けず、賞罰欄に刑事事件で最高裁まで争って敗訴して前科者になったことを書かなければならないわけだが、そんなひとを普通の企業が雇うだろうか。星新一は大学院を修士課程で中退していきなり大企業の二代目社長になるが、これはかなり異様なのではないか。笙野頼子の履歴書は職歴がまったくの空白で、その代わり賞罰欄で書ききれないほどの賞を書かねばならないが、これはこれで見る者を当惑させるのではないか。などなど。
あとは国公立大学の大学院を修士課程で中退すると、偉大な文学者になれるという、いささか統計的な根拠の怪しい結論を出したりもする。
あ、日本の近代文学で、履歴書がめちゃくちゃアナーキーになるのは太宰治だよな、やはり。大学は除籍処分で、一般企業に勤めたことはなく、文学賞をもらったのは一度だけ(しかも地方の新聞社が主催している小さな賞だったと記憶する)。