フリーライター崩れ

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)

読了。坂口安吾ジョン・ライドンカート・コバーンにわが身を投影しつつ自己言及的な隘路に陥り、代償作用としてやたらとペダンティックな議論を繰り広げていた若いころの作品に較べると、本当に普通(って言うな!)の、しかし良質なミステリ短篇が揃っている。
ただし奇矯な性格のフリーライター崩れが登場する話がやたらと目立つのが気になった。まあ、ミステリの狂言回しとしては、もっとも扱いやすい職種なのかもしれないが。