2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

今年初仕事

時差の関係でフランス本国ではまだ配布されていないかもしれませんが(それをいま告知してどうするつもりなのだ)、パリ在住の知人がサブカルチャー系のフリーペーパー「ボンズ〜ル」を創刊しました。 http://www.bonzour.fr/ 「パリ市内でしか手に入らない…

今日からオレも愛国者

最近の朝日新聞は愛国心に関する特集を続けているが、今日は小熊英二の長いコメントが掲載されていた。なかば個人的なメモとして要約しておく(以下は正確な引用ではなく、オレなりの要約であることに注意するように)。 1960年代までは右派も左派も「日本は…

出会い系の光と影(光はない気がするが)

sociologbookで大好評連載中の「今日、下のおっさんが出会い系で知り合った女に会いにいきます」を読んでいたら、悪質な出会い系サイトでアルバイトしていた当時の思い出話をもう少し書きたくなった。しかしうっかり筆が滑って、ITライターとしての社会的信…

これがブログか!

「ブログ」の定義や実態がつかめずにもどかしい思いをしていた2003年前半、オレは自分なりに「ブログっぽさ」の曖昧な定義を思い付いた。 朝日新聞によれば、 のように本文中にリンクを埋め込むのではなく、 朝日新聞 http://www.asahi.com/ のようにURLをむ…

作家は「書く機械」?

文学者の短い評伝を読むたびに感じるのだが、彼らはデビューする前の人生のほうが圧倒的に面白い。これは当然と言えば当然で、専業作家としての地位を確固たるものにすれば、あとは机に向かって書きつづけるだけの毎日が続くことになる。三島由紀夫のように…

好盤であると思う

Doo Bopアーティスト: Miles Davis出版社/メーカー: Warner Bros / Wea発売日: 1993/05/31メディア: CD購入: 3人 クリック: 8回この商品を含むブログ (34件) を見るNapsterに登録してから、はじめて最初から最後まで通して聴いたアルバム。マイルス御大の遺…

かつては「音楽産業の敵」だったのにね

古くからの友人が熱を込めて礼讃しているので、数時間前にNapsterにメンバー登録した。たしかにこれはすごい。「アングロサクソンとアフロ・アメリカンが作った娯楽音楽」に限定するなら、予想以上に充実した品揃えになっている。何しろ「ほかにはどんなミュ…

家族で楽しめない音楽

世の中には「現代音楽」や「前衛音楽」と呼ばれている音楽がある。オーケストラが不協和音を奏で、打楽器が不規則なリズムを叩き、ソプラノ歌手がヒステリックに絶叫する。と、いささか通俗的にまとめればこういう傾向の音楽である。こういう音楽が盛んに作…

家族で楽しめる音楽

平成風俗(初回限定盤)アーティスト: 椎名林檎×斎藤ネコ,椎名林檎,斎藤ネコ,亀田誠治出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日: 2007/02/21メディア: CD購入: 2人 クリック: 60回この商品を含むブログ (269件) を見る『無罪モラトリアム』と『勝訴ス…

こんなものいらない、かな?

なぜこんなものが存在するのかよく判らないものは誰にでもあるだろうが、オレにとっては「現代国語の授業」である。漢字や文法はともかく、それ以外のことを教える必要がどこにあるのか。小学校から高校まで国語の成績は一貫してよかったのだが、授業をまと…

烈士とアルバイト

昨日、出会い系サイトのアルバイトの話を書いたので、オレが同じころに経験したもうひとつの「パソコンのお仕事」を書きたくなった。こちらは3日間だけの短期アルバイトだったが。 その職場では春の受勲や秋の受勲が発表されるたびに、NTTの「104」で受勲者…

サクラ咲く

sociologbook - 今日、下のおっさんが出会い系で知り合った女に会いにいきます。 http://sociologbook.net/log/200702.html#eid96 この「おっさん」が本当に出会えるかどうか、興味津々ではあるのだが、しかし切ない気分になってきた。オレはライターだけで…

「冠」と「祭」は何のことでしょう?

冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)作者: 斎藤美奈子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/05/12メディア: 新書購入: 7人 クリック: 31回この商品を含むブログ (91件) を見る難しい内容でもないのに、雑事に追われて読み終えるのに時間がかかった。「われわれが…

どす黒いものを挿入する

rakuten:bentenshokai:10001892:detail この製品が近所のコンビニで売られているのを知って狂喜乱舞する。耳掃除を愛好するすべての日本人に自信を持って薦めたい。製品の特徴、魅力などは以下に詳しい。 http://d.hatena.ne.jp/cachamai/20070202/p1

「動画研究部!! 略してYou Tobe!!」

ハヤテのごとく! 10 (少年サンデーコミックス)作者: 畑健二郎出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/02/16メディア: コミック購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (216件) を見る惰性で読んでいるのか、好きで読んでいるのか、自分でもまったく判ら…

邪心ある読書

由良君美は「ある主題の論文を執筆せんがために、体系的に書物のリストを制作し、それを秩序付けて読み進めるという研究の仕方を認めようとしなかったし、そもそも論文執筆のための労働としての読書という考えを拒否していた」(「先生とわたし」より)そう…

師弟

四方田犬彦「先生とわたし」を読了する。個人的な回想から離れて「師弟とは何か」を問い始める「間奏曲」から文章の密度が上がり、内容が純化される(もちろんそれまでがつまらないわけではない)。ここを本当に単なる「間奏曲」だと思って読みすごすと、東…

昨日の記事について

昨日の記事、「メンタルヘルスと治療」の後半で「メンヘル系」に言及したところ、何人かの知人から安直さ、無知さを指摘されました。この記事はもとはオレ自身の個人的な体験談で話を終始させるつもりでしたが、それだとウェブ上ではあまり触れたくないこと…

もどかしい

さよなら絶望先生(7) (講談社コミックス)作者: 久米田康治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/02/16メディア: コミック購入: 4人 クリック: 32回この商品を含むブログ (210件) を見るいつにも増して元ネタが判りそうで判らないギャグが多くて、読んでいて…

メンタルヘルスと治療

専門家にとっては噴飯ものの譬喩なのだろうが、怪我や病気の治療は規律訓練型と環境管理型に分けられるのではないだろうか。「健康になりたい」「恢復したい」という患者の意思を尊重した上で、医療関係者がサポートするのが規律訓練型。典型的なのが専門的…

平井太郎さん

日本の近現代文学史上、本名とペンネームの落差がもっとも激しい作家は誰であろうか。オレならまずは平井太郎を推す。「平岡公威」や「津島修治」にはまだ文字面の美しさがあるが、「平井太郎」ではどうにもならない。逃亡中の犯罪者が咄嗟に思い付いた偽名…

モダンバッハ

のだめカンタービレ 17 (講談社コミックスキス)作者: 二ノ宮知子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/02/13メディア: コミック購入: 4人 クリック: 69回この商品を含むブログ (409件) を見るモダン楽器でバッハのクラヴィーアコンチェルト(BWV.1052)を弾…

憑依

前にも書いたようにオレは自発的に本格的で長い文章を書くことはない。そうした文章は、誰かから依頼されないと書く気になれないのだ。しかし昨日の夕方、「あ、このテーマをこの切り口で書いてみたい」という欲求が急に湧き起こり、今日の夜までテキストエ…

江古田はオタクの街?

東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)作者: 東浩紀,北田暁大出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2007/01/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 14人 クリック: 130回この商品を含むブログ (253件) を見るじっくり読み込むのは先にして…

バレンタインの日

すでに誰かが思いついていそうだが、今年のバレンタイン・デーには意中のひとに不二家のチョコレートを送ろう。不二家製品を入手するのが困難になっているいま、それを手に入れるために払った努力だけで、彼はきっとあなたの行為に感動するはずだ。少なくと…

「韓国にも映画はあるんですか」

ところで「先生とわたし」には、修士課程を終えた四方田犬彦がオックスフォード留学を断念し、韓国の大学の客員教授になることを決意し、恩師に事情を説明に行くシーンがある。 わたしに最初にフランス語の手解きをしてくれたある教師の反応は冷淡なものだっ…

ふるべゆらゆら

単行本になるのを待ちきれずに雑誌を買う、という消費行動とは無縁のオレにしては珍しく、四方田犬彦の「先生とわたし」が目当てで「新潮」の最新号を購入。批判が多いのは承知の上で『ハイスクール1968』(ISBN:4103671041)を愛読している身としては、学部…

でたらめな定義

友人と電話していたら、 ハイカルチャー 19世紀以前の文化(に興味を持つひと) サブカルチャー 20世紀の文化(に興味を持つひと) オタク 21世紀の文化(にしか興味がないひと) という定義を唐突に思い付いた。もちろんその場かぎりの言葉遊びなので、あま…

煉獄

筒井康隆『ヘル』(ISBN:4167181150)、読了。すでに死んでいるが、成仏できていない男女がさまよう煉獄を描く。話が展開するにつれて時系列が混乱し、文体が壊れていくのは『驚愕の曠野』や『邪眼鳥』と同じ手法だが、『驚愕』『邪眼』ほどの眩暈には襲われ…

ありきたりな注文

夢を与える作者: 綿矢りさ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/02/08メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 128回この商品を含むブログ (285件) を見る東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)作者: 東浩紀,北田暁大出版社/メーカー:…