本日の昼間の読書(といっても漫画とアニメ雑誌だけどな!)

生活1

生活1

福満しげゆきの漫画といえば『僕の小規模な日常』や『僕の小規模な生活』など、私小説的な要素が強いが、これは完全なフィクション。東京西部と思われる住宅街を舞台にして社会不適応気味の老若男女が集まって、一種の自警団を組織するというストーリー。ただし作者とほぼ等身大だと思われる、小柄で内気でたまに大胆なことをしでかす主人公の人物造形は、これまでの作品と変わらない。また自警団といっても取り締まる対象が大した悪人ではないのも、この作者らしい。あとがきに書いてある、まさしく「僕の小規模な動機」としか形容のしようがない執筆理由も面白い。さらに巻末に「わたしたちの小規模なカニバリズム」を描いたデビュー作が収録されているのも拾いもの。
オトナアニメVol.5 (洋泉社MOOK)

オトナアニメVol.5 (洋泉社MOOK)

絶望した! 久米田康治のインタビューが載っていると知って買ったのに載っていなくて絶望した! いま調べたが、第5号ではなくて第6号であったか。これだから立ち読みができないネット書店は困る。最近になって興味を持ち始めた「電脳コイル」に関する充実した特集記事があるので、よしとするか。しかしオレは自分の好きな小説や漫画がアニメになっても、積極的に観たいとは思わないのだよなあ。例外は筒井康隆の諸作品と『絶望先生』くらいか。これはメディアミックス的な商売があまり好きではないという、個人的な理由が大きいのだが。なぜ好きではないのか、自分でもよく判らない。「オリジナル・テクストを確定するのが難しくなり、後世の研究者に悪影響を与える」という、文学研究をかじった人間らしいことは言えるが、われながら嘘臭い。