池袋はどこにある?

昨日は佐々木敦、柳瀬博一、津田大介の各氏によるトークイベント「Lifeパーソナリティが語る池袋とセゾン文化」のために、池袋リブロ本店に出掛ける。討論内容は近いうちにポッドキャストで配信されるので、ここでは書かない。ただ話を聞いていて思ったのは、どんな環境で生まれ育ち、何に興味を持っているかで、「池袋」のイメージが多種多様であること。あとこれは最後の質疑応答でも発言したのだが、「池袋」が具体的にはどのくらいの範囲を指し示すのか、よく判らない。オレにとって駅からだらだらと坂を上っていって、山手線の内側なら青山学院、外側なら円山町のラブホテル街やNHK放送センターがあるあたりまでが渋谷で、そこから先はまるで違う街である。これはほとんどのひとが同意すると思う。そして新宿はどこまでも果てしがない。新宿のつもりでぶらぶらと歩き回っていたら、いつの間にか代々木や四谷にたどりついてしまう。捉えどころがないのだ。これは「新宿」と名乗る駅が新宿(JR線)、新宿西口(都営大江戸線)、東新宿都営大江戸線)、西新宿(地下鉄丸ノ内線)、西新宿五丁目(地下鉄大江戸線)、南新宿(小田急線)、西武新宿(西武新宿線)、新宿御苑前(地下鉄丸ノ内線)、新宿三丁目(都営新宿線、地下鉄丸ノ内線)とやたらと存在しているのが証拠になるであろう。
そして池袋はどうか。線でも面でもなく、点で出来上がっている印象が強い。極論すれば池袋駅構内とシームレスな関係にある西武デパート東武デパートが、オレにとっての池袋である。衣類、食品、生活必需品、書籍やレコードといった文化商品がだいたいこのなかで手に入るので、駅ビルから外に出る必要を感じないのだ。セゾングループで働いていた佐々木さんも「ジュンク堂が進出するまで、自分にとっての池袋はほとんど駅ビルのなかだけで完結していた」と発言していた。これに対して東京都北区生まれで子供のころから池袋で遊んでいた津田さんは、大きな道路が池袋と非―池袋を寸断していると指摘していた。やはりひとによって違う。