小学生に英語を教える意味?

小学生に英語を必修させる必要があるのか?(内田樹の研究室)
http://blog.tatsuru.com/2008/02/17_1252.php
はてなブックマークのコメント欄でも書いたのだが、コメント欄は読まないひともいるので、ここにも書く。いったい小学校5年生から英語を学ばせるとは、文部科学省は何を考えているのだ。そんなものを覚えるくらいなら、政治や経済の基礎知識(企業の就職試験の一般常識問題を易しくしたもの)でも学んだほうがまだいい。
高校生のときに英語が大の苦手科目(理科系の科目は苦手云々以前の問題)だったオレがフランス語を学ぶようになったのは、澁澤龍彦経由でフランス文学に関心を持ち、有名作品や未訳・悪訳の作品の原文をすらすらと読めるようになりたかったからである。四方田犬彦『日本映画と戦後の神話』によれば、韓流ブーム以来、それまでまったく韓国語(朝鮮語)と無縁だったひとたちが熱心にハングルを学ぶようになったそうである。要するにそうした強い動機付けがなければ語学を学んでも身に付かないし、動機付けさえあれば「好きこそものの上手なれ」で、基礎文法と日常会話くらいはマスターできるのである。
そんなわけでこれから小学校の教師は、「なぜ英語を学ばなければならないか」を説明しなければならなくなるのだが、果たして小学生を納得させられるのだろうか。個人的には歴史的仮名遣いの文章の読みかたでも学ばせたほうがよほどいい。あるいはいっそフランス語公用語論でも文部科学省に打診するか。