書物探しが止まらない

自分探しが止まらない (SB新書)

自分探しが止まらない (SB新書)

僕の小規模な生活(1) (KCデラックス モーニング)

僕の小規模な生活(1) (KCデラックス モーニング)

練馬駅前の書店で購入。PASMOが利用できるようになっていて驚いた。
どうせ自分探しの旅なんて「自分さらし」になってしまうと絶望先生も言っているが、書物探しは四半世紀も続いた趣味であり仕事なので、やめるつもりはない。
前者ははてなユーザーにはおなじみの速水健朗さんの新刊。まだ最初を読んだだけだが、決して内輪褒めではなく前著『タイアップの歌謡史』よりも筆が踊っている。ところで前に書いたかもしれないが、「海外に旅する若者」の代表的な紀行文である沢木耕太郎の『深夜特急』と小田実の『なんでもみてやろう』には「自分探し」的な要素はほとんどない。これは当時はまだ日本人が海外に行くのは難しく、自分を見詰めるよりも、まわりの珍しい風景に心を奪われていたからではないか。
福満しげゆきはの『僕の小規模な生活』は主人公が漫画家ではなくライターで、IT関係の知識があるのを除けば、8年前の「自称ライター」だったころからいまにいたるまでの自分とあまりにも似すぎていて、客観的に読めない。ともあれ漫画家、小説家、ライター(およびそれらの予備軍)は読んだほうがいい。予備軍は素直に笑えるが、現役の業界関係者はよほど順調な人生を送っていないかぎり、恥ずかしい過去を思い出してのたうちまわることになろう。