漫画日和

いやまあ、オレにとっては毎日が漫画日和なのだが。

さよなら絶望先生(11) (講談社コミックス)

さよなら絶望先生(11) (講談社コミックス)

安定した面白さ。と書くと「ほかに誉めようがない作品に使われる常套句じゃないか」と作者に怒られそうだが、実際に安定して面白いのだから仕方がない。
ところでこの巻に収録された話は夏休み中に掲載されたものなので、女性のキャラクターの私服姿が多いのだが、作風に合わせて和装が多いのが少し残念。女性キャラクターの私服(洋装)を楽しむのも、久米田康治の漫画の楽しみのひとつなので。なお久米田康治 - Wikipediaの過去の履歴によれば、女性の専属アシスタントがいるようだが、私服のコーディネートは彼女が考えているのだろうか。
モン・スール (ガムコミックスプラス)

モン・スール (ガムコミックスプラス)

ヨイコノミライ』がなかなか気に入ったので、ほかの作品も読みたくなった。タイトルは「ぼくの妹」という意味のフランス語のつもりだろうが、文法もスペルも間違っているのはご愛嬌(中表紙には"mon seul"とあるが、正しくは"ma sœur"。しかしフランス語にかぎらず、こういう間違った外国語は誰からどうやって教わるのだろう。そんなにタイトルに外国語を使いたければ、ちゃんとした知識を持っているひとに訊けばいいのに)。表題作は主人公の妹(小学生)が主人公の親友と恋愛関係になる話で、テーマは「好き合っていれば相手が小学生だろうが幼稚園児だろうが何したっていいんだろ?」という主人公の科白に尽きる。といっても安易な「萌え」を期待すると裏切られる。このひとはオタク(にかぎらず、独身男性全般)の持つみっともなさを描かせたら、かなりの腕前を発揮するからだ。萎えるぞ、むしろ。あと新装版で付け加わった後日談が、ナボコフの『ロリータ』の裏返しのバージョンのようで面白かった。
さんさん録 (2) (ACTION COMICS)

さんさん録 (2) (ACTION COMICS)

上記2作に較べるといろいろな意味で「薄い」作品だが、もっとも素直に楽しめる作品となると、これになる。こうの史代の漫画はたとえ『夕凪の街 桜の国』であろうとも、「私もこのような生活を送ってみたい」という欲望を掻き立てる。お前みたいな腐れサブカル中年には無理なことだと言われたら、返す言葉もないのだが。