夢の創造性

このところ暖を取るためにベッドにもぐりこんで文庫本をめくっていると、いつの間にか寝入ってしまうことが多い。今日もそうであった。今日の夢は、東京の練馬に住んでいたころに贔屓にしていた居酒屋。新宿の穴場的なところに新装開店したので遊びに行ったのだが、店の雰囲気も客層も以前とはまるで異なっており、ドカドカうるさい学生コンパを相手に立ち回り(というか、こちらが一方的に暴れただけだが)。翌日、店に謝りに行くところで目が醒めた。
と、こうして思い起こすと、夢は昼間見知った情景の順列組み合わせでしかなく、まったく新しいものを生み出す力にはなりえないと痛感する。夢に出てくるいずれの情景も、自分にとっては「元ネタ」が判るものばかりからだ。都心の病院で見た幻覚も似たようなものであった。おそらくはイリーガル・ドラッグを用いても、さほど面白い光景は見られないのではあるまいか。