われ、万巻の書を買ひぬ(買つてねえよ)

デトロイト・メタル・シティ 4 (ジェッツコミックス)

デトロイト・メタル・シティ 4 (ジェッツコミックス)

蔵書の整理に疲弊して、<>*1などとマラルメのつまらぬパロディーを口にしつつ、「いまある本を読んでいるだけで一生困らないのではないか」と思っても、書店に行って気になる新刊を見付ければ買ってしまうのだから因果なものである。
この漫画、話が進むにつれてノーメイクのときの根岸が、単に空気が読めない困ったひとになっていくのが読んでいて辛い。辛いといいつつも続きを買ってしまうのだろうが。しかしどこに落としどころを付ける気でいるのだろう、この作品。

*1:元ネタになった詩を大学院のゼミで購読したのを、それこそ蔵書を整理してマラルメの原書を見付けて思い出した。T先生の解釈よれば「chair」(肉体)は生の有限性、「livre」(書物)は地上的な知を象徴するとの由。