恐るべき書物

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

オレはホラー小説などを読んでも、面白いとは思うが、怖いと思ったことはない。しかしこの本は怖い。途中で読み続けるのが苦痛になってくるくらいだ。しかしこの怖さは実際に文系の大学院に進学したものでなければ実感できないかもしれない。むしろ「なるほど、大学院とはこういうところなのか。知らなかったなあ」と面白く読んでしまう可能性が高い。嗚呼。やんぬる哉(オレの人生が)。
ともあれ漠然とした憧れだけで「大学院に進学して、もっと専門的な知識を身に付けたい。そしてできれば研究者として生活したい」と思っている文系の学生諸氏は、この本をしっかり読んでおくべきだ。そしてみずからの判断で進学すべきか否かを判断するのがよろしい。だいたいは「進学しない」を選ぶだろうが。
と、去年の春にも同じようなことを書いていたな。ふう。まあ、修士課程(博士前期課程)までで修了したのが、まだしも救いだったかもしれない。