プロになるつもりじゃなかった

ニフティが運営している音楽系ポータルサイトHuman Music Communityに掲載されている佐久間正英の対談記事が面白かった。
http://hmc.nifty.com/cs/interview/main/070820000178/1.htm
これはベテランミュージシャンと楽器を習いたてのアマチュアが対談する「わかば対談。」という企画のひとつなのだが、中学三年生のベーシスト「けいすけ君」に向かって、彼は「あのね、プロのミュージシャンって、『目指す』ものじゃないんですよ。偶然、なってしまうようなものなの」とアドバイスしている。たしかにそんなものかもしれない。佐久間正英と同い年の坂本龍一も、「学生アルバイトの延長のような気分でミュージシャンを続けてきた。しかしYMOブームのおかげで街で知らないひとからも声を掛けられるようになり、『ああ、自分はプロなのだな』と思わざるを得ない状況になった(追い込まれた)」といろいろな機会で発言している。
かくいう自分も「プロのライターになりたい」という明確な目的意識があったわけではない。出版業界でだらだらと仕事をしていたあげくに、アウトソーシングされるようなかたちでライターになった、という実感が強い。
プロになるためのしっかりした制度や資格が整えられている世界で働きたいのならともかく、プロとアマチュアの境界が曖昧な世界で活躍したいのなら、おかしな「プロ根性」は邪魔にしかならないのではないか、と思うのであった。