文学部的な漫画

昨日の日記で、「文系なら文学部、理系なら農学部がカリキュラムが誤解されやすい学部だ」と書いた。しかし幸いなことに、農学部には『もやしもん』(最新刊が出たようだが、まだ買っていない)がある。あの漫画のおかげで農学部や農業大学に対する偏見はある程度は払拭されたのではないか。それでは文学部はどうか。小説なら筒井康隆の『文学部唯野教授』があるが、あの小説で主人公が文学部の教授に設定されたのは、筒井がそのころ学んでいた欧米の文学理論や哲学を作中で紹介するためで、それ以上の必然性は持っていない(と記憶する)。
しからば文学部ならではの面白さを描いた漫画は可能であろうか。大学院生が自主ゼミで原書購読をおこない、ある単語の解釈をめぐって延々と議論を繰り広げる……なんて、議論している当人にとっては面白いのかもしれないが、読者を喜ばせるシーンではない。
でも誰か「文学的な漫画」ではなく、「文学部的な漫画」を描いてくれないだろうか。