弱いから打つ!

自分で買うことは滅多にないが、病院の待合室などにあるとつい熟読する雑誌のひとつに「Number」がある(そういう場では、「Number」くらいしか読みたい雑誌がないことが多い)。最近読んだバックナンバーに載っていた、開成高校野球部のレポートが面白かった。開成といえば全国的に有名な名門進学校だが、野球部の実力は低い。そこの監督によれば、「6点取られたら、7点取り返す」というのが勝つためのセオリーなのだそうだ。とても進学校の監督とは思えない大雑把な戦術かと思いきやさにあらず、バントや守備によって堅実にゲームを進めるのは強いチームだからできることで、実力のないチームはひたすら打ちまくるのが最良の手段なのだそうだ。これは東大野球部という、東京六大学野球のなかではやはり弱いチームでプレイした監督本人の経験から得られたものだとか。
野球は好きだが野球の技術面に詳しくないオレは、バントに頼るのは姑息で安易な手段だと思っていたのだが、そうではないのだね。そういえば『おおきく振りかぶって』もバントがいかに難しく、選手に緊張を強いるものであるか、克明に描いている。認識を改めねば。