「コミックブックは青春と結びついた世界的な現象だ」

パレスチナ

パレスチナ

うおー、読むぞー、と勢い込んでページを開いたのだが、日本の漫画とはあまりにもエクリチュールが異質なので(漫画の「エクリチュール」というのは少しおかしな言葉遣いだが、見逃してほしい)、調子が狂う。どこをどういう順序で読めばいいのか、よく判らないのだ。時間のあるときに再挑戦したほうがよさそうだ。
あとは「コミックブックは青春と結びついた世界的な現象だ。東洋にも西洋にも、あらゆる言語と文化のなかに存在している」とはじまるサイードの序文が不思議なノスタルジーに溢れていて、ほろりとしてしまう。空想的な世界に心遊ばせる楽しみを知り、性への関心を擬似的に満たすのがコミックブックであったこと、「教育によくない」という理由でコミックブックを学校に持ち込むのが禁じられたのは、1948年のエルサレムでもあったのだなあ。