視覚障碍者とウェブサービス

視覚障碍者や高齢者にパソコンの初歩を教える、というボランティアを半年近く続けて感じたことを書く。この話題はプライバシーに触れない範囲で、今後も書こうと思っている。いつもに増して文体のテンションが低くて堅苦しいのは、非常にデリケートな話題に触れようとしているからである。
視覚障碍者がパソコンを使うための音声支援アプリケーションがある。オレが知っているのは高知システム開発という会社の製品だけなのだが、ほかにはどのようなメーカーのアプリケーションが有名なのだろうか。
こうしたアプリケーションをインストールすると、キーボードを押すたびにどのキーを押したかを機械音が読み上げる。ゆえに弱視者でもどのキーを押したのかをきちんと確認できるわけだが、問題はウェブサービスにログインするときのパスワードなども、しっかり読み上げられてしまうことだ。自宅でひとりで使っているのならともかく、付き添いのボランティアがいるような環境で使うと、自分のパスワードが漏洩する危険がある。セキュアな文字列を入力するときは音声を読み上げないように改良するのも可能だろうが、それでは全盲のひとが自分が入力したパスワードが正しいかどうかを確認するのが難しくなる(ただし不可能ではない)。こういうのはボランティアにたずさわる者のモラルに任せるしかないのだろうな。と、オレがブログに書くことによって、「そうだ、この手があったのか」と悪質な「ボランティア詐欺」を試みる手合いがいるかもしれないが。ううむ。
なお以下に紹介する書籍は、オレがかかわっているボランティア団体の代表の著作。