坂本龍一に陵辱されたナウシカはいまにも死にそう

iTunes Storeで試聴して「これは買うのはやめようかなあ」と思ったのだが、やっぱり買ってしまった。オレが最近買うCDは、何だか後ろ向きなものばかりだ。信じられないメンバーが信じられない曲をカヴァーしている、夢のような冗談のようなトリビュートアルバムなのだが、良くいえば禁欲的というか、悪くいえば血の気の失せているというか……。ポストロックとエレクトロニカの悪影響、ここに極まれり、などと無知にもとづいた妄言を吐きたくもなる。(最近の)坂本龍一や(最近の)高橋幸宏ジム・オルークコーネリアスレイ・ハラカミ細野晴臣を料理すればこうなるのは判っている。それは試聴した時点で確認済みであり、それを承知の上で買ったのだ。でももう少し華やぎがあってもいいではないか。スカパラの「アブソリュート・エゴ・ダンス」ですらどこか原曲に遠慮したカバーになっているのだから、「細野晴臣」とはJポップ関係者にとって「神聖ニシテ侵スヘカラス」存在なのだろうか。全体的に細野晴臣の全盛期(がいつになるのかは異論があるだろうが)などリアルタイムでは知らない若手ミュージシャンのほうが、余計な気兼ねをせずに好き勝手に原曲を料理している印象が強い。