Les filles pourries…

オレが在仏日本人向けのフリーペーパー「ボンズ〜ル」に、なぜかフランス語で漫画評を連載しているのは以前もお伝えしましたが(もちろん翻訳はスタッフのかたにお任せしています)、紺條夏生妄想少女オタク系』のレビューがいつの間にやらウェブ版にも掲載されていました。
http://bonzour.fr/index.php?itemid=136
欧米でも日本のオタク文化に注目が集まっており、「manga」「yaoi」といった単語が定着しているのはみなさんもご存じだとは思いますが、フランスでは「fujoshi」はあまり知られていないようで、フランス版Googleで検索しても20件ほどのページしかヒットしません。しかもトップに表示されるのが自分が書いた上の記事なのだから、もうどうしたらいいのか判りません。フランス人のあいだで「腐女子」に関する間違ったイメージが広まったら、現時点での責任はオレにあることになるわけですから。
公平を期すため、原文を引用します。

紺條夏生(Natsuo Konjo)『妄想少女オタク系』(双葉社)2004〜
 この漫画の女主人公の浅井(Asai)は「腐女子(Fujoshi)」である。「腐女子」は日本のオタク関係の俗語で、女性オタクのなかでも、Yaoiなどの男性同性愛を描いた作品を好む層を指す。男子高校生の阿部(Abe)は、同級生の浅井が腐女子だと知らずに、彼女に強い恋愛感情を抱く。恋愛やセックスに関する知識をすべてYaoiから学んでおり、現実の恋愛に疎い浅井は、阿部の感情を受け止めきれない。阿部はオタク文化に興味がないために浅井の言動に戸惑い、ときにはオタクの神経を逆なですることを口にして、浅井を傷付ける。『妄想少女オタク系』はこのふたりのすれ違いをコミカルに描いている。
 昨年、ある女性ライターが出版した女性オタク論がきっかけとなり、日本のマスメディアでは「腐女子」がちょっとしたブームとなっている。しかしこの評論に関しては、「基本的な情報に間違いが多い」といった批判がインターネット上で相次いだ。それに対してこの漫画は、「腐女子の実態を正確に、しかも好意的に描いている」と歓迎されている。

ちなみに「腐女子」を「Les filles pourries」と訳したのは、オレじゃありません!
妄想少女オタク系 1 (アクションコミックス) 妄想少女オタク系 2 (アクションコミックス)