在東京中年

12日、13日と東京に行く。12日はチェックインしたのが20:00すぎで、しかもホテルがあるのが新宿中央公園の外側だったので、あらためて夜の街に繰り出す気にもなれず、新潟駅構内の書店で買った『となりの801ちゃん』(ISBN:4776793024)とガタケット新潟市で開かれる同人誌即売会)のカタログを読んでぼんやりとすごす。『鋼の錬金術師』は相変わらず腐女子に人気があるのだなあ。でも「ロイ×エド」というカップリングばかりが並んでいる無個性さはどうにかならないものか。
13日は西荻ブックマークの「第七官界彷徨 尾崎翠を探して」上映会に参加。肝腎の映画本編の印象が薄れてしまったくらい、上映終了後の浜野佐知監督のトークショーが強い印象を与えた。ピンク映画を300本も撮り続けたのに、ピンク映画であるがゆえに「もっとも作品数が多い日本の女性監督」に選ばれなかった憤り(公式的には田中絹代が「もっとも作品数が多い日本の女性監督」になるそうだ)、ある男性研究家の手によって捏造された「若くして創作活動を断念し、故郷で『生きる屍』のように余生を送った不運な作家」という尾崎翠*1への憤りが、この映画を撮る上での大きな動機になったとのこと。とにかくエネルギーとバイタリティーに溢れている。基本的にはひとりで安価に創作できる小説や音楽とは異なり、映画は大勢の協力者と多額の資金を必要とする芸術であることをつくづく実感する。
帰りの新幹線では速水健朗『タイアップの歌謡史』(ISBN:4862481043)を黙々と読み進める。こちらの感想はまたのちほど。

*1:オレ自身、このようなイメージを抱いていた。