西村ミツル/かわすみひろし『大使閣下の料理人』

「モーニング」の主要な読者層であろう20代後半から30代の男性ホワイトカラーにとって、こういう世界(観)が憧れであり、かつ心地よいのだろうな。途上国(この作品ではベトナム)で知り合った「現地妻」とのほのかなロマンス、韓国に対する愛憎なかばする感情、アメリカやフランスといった「欧米列強」に対する微妙なインフェリオリティ・コンプレックス、表舞台に立つことは決してないが、要所要所でしっかりと「国策」にからんでくる主人公。もちろん料理漫画として素直に楽しむこともできるのだが。なおオレは8巻までしか読んでいないのだが、これからは別の国に舞台を移すようだ。