ドラッグとしての香辛料

練馬駅北口のタイ料理店に行く。この店、雰囲気がちょっと怪しげでこれまで敬遠していたのだが、ウェブ上での評判は悪くないのを知り、行く気になったのだ。たしかにうまい。しかしタイ料理は「本格派」になればなるほど、食べ終わったあとにぐったりとなる。タイ料理にかぎらず、刺戟の強い香辛料を大量に使った料理を食べると、「酔って」しまうのだ。はっきり言ってアルコールよりも効果がある。もしかしたら胡椒や唐辛子は、ある種のドラッグとして服用されていたのではないか。そうでもなければ、中世のヨーロッパ人が狂ったように胡椒を追い求めた理由が判らない。シヴェルブシュ『楽園・味覚・理性』(ISBN:4588276425)あたりに、そんな話が載っていなかっただろうか。