懲りずにイナカルスタ

id:fenestraeさんはヨーロッパでは、「城壁の中/外」が市内と市外を分ける指標になっていると指摘している(22日のコメント欄参照)。日本では「川」が城壁の役割を果たしているのではないだろうか。たとえば新潟市では信濃川と関屋分水で囲まれた三角定規のような地帯が「新潟島」と呼ばれており、新潟島の外は地名の上では新潟市であっても、「市外」扱いされることがある。また信濃川を挟んで西側の商業地域を「西新潟」、東側の工業地域を「東新潟」と呼んでおり、「西」と「東」ではあまり交流がない(少なくとも「西」の住民が「東」に行く機会は、「東」の高校にでも受からないかぎり、ほとんどない*1)。

「島」が街の中心になっていることや、「川」を境にして文化圏が分かれるのは、ニューヨークやパリと同様であって(笑)、決して珍しい現象ではない。また隅田川や荒川や多摩川が東京で果たしている機能も、大差ないだろう。

と、オレがこれほどイナカルスタにこだわるのは、「東京と地方」という図式からは見落とされがちな、地方のなかの微妙な差異にもっと注目が集まってもいいのではないかと思っているからだ。*2

*1:あ、新潟スタジアムアルビレックスの応援に行くとき、というのがあるか。

*2:人口50万人程度の都市が対象であっても、『東京23区物語』(ISBN:410107626X)のような本を書くことはできる。