ニュースサイトと著作権

はてな」を見ていると、ただ単に興味深いニュース、面白いサイトのURLを羅列しただけのサイトを見かけることがある。そしてこうした「個人ニュースサイト」に対して、「創造性がない」と批判するひとがいて、オレもまたその意見に同意する。しかし厳密に言えば、これらのサイトもまた「著作物」である。名和小太郎は『ディジタル著作権』で、「人名別電話帳は誰が作っても同じになるので、著作物性はないが、職業別電話帳ではデータの並べかたは一意的ではなく、編集者ごとにとって異なるので、著作物性はある」としている。

すなわちアサヒ・コムアクセスTop30や、はてなダイアリー注目URLのように、機械的に集計しているだけのリンク集には著作物性はない。しかし個人ニュースサイトの場合は、ニュースを取捨選択する段階で、その日記の作者の「思想や感情」(「このひとは音楽が好きで、プロコピーライト的な政策には反対しているのだな」、「このひとは政治問題に関心があり、『右寄り』の立場を取っているのだな」)が、たとえコメントがまったくなく、URLをずらずら並べているだけでも判る。ゆえにニュースサイトも「著作物」だと思うのだが、この考えは間違っているだろうか。

法的な文脈での「著作物性」と、「アート」的な文脈での「クリエティビティ」のすれ違っているからこそ、著作権に関する議論は深めたくてもめられないのだろう。