著作権って?

オレの妹が6歳のころに作詞・作曲・演奏・歌唱した「♪ゆーめのなーかーのー、おんがくがーきこえーるー」で始まる小品も、オレが中学生のときに書いた星新一もどきのショートショートも、個人の思想や感情が表現されており、何らかの創作性があるからには、れっきとした「著作物」となります。もちろんみなさんがブログで日々綴っている文章も著作物です。金銭的な対価が生まれた時点で、ある作品がいきなり「著作物」となるわけでは、まったくありません。

日本やヨーロッパでは、著作権自然権(作品が生まれた瞬間に、著作権は自然に与えられる権利だとする考えかた)だという前提で、さまざまな制度が整備されています。これはアメリカの著作権制度との決定的な違いです。

最近、著作権をめぐる2冊の重要な本が出版されました。岡本薫『著作権の考え方』(ISBN:4004308690)と名和小太郎『ディジタル著作権』(ISBN:4622070766)です。この2冊を読めば、現行の著作権制度のどこが便利で、どこがおかしいのか、かなり明確な見取り図を描けるようになります。読む順番としては、まず基礎知識を初心者向けに解説した『著作権の考え方』、次に数々の専門的な問題について考察している『ディジタル著作権』がお勧めです。『著作権の考え方』は文化庁著作権課長だった人物の著作なので、やや「JASRACびいき」の側面があります。しかしそれを差し引いても、判りやすく、偏見の少ない内容になっています。

もっとも世の中には「本を読むのは面倒だ」というひともいるでしょう。そんなひとは『音楽誌が書かないJポップ批評36』(ISBN:4796641343)の栗原裕一郎さん(id:ykurihara)の「書評でポン」をお勧めします。上記2冊の内容が、的確に要約されているからです。

なーんて、最後の最後に面識のあるひとの名前を出したりするから、「はてなは馴れ合いばかりでウゼェ」と思われるのであろうか(笑)。