著者略歴に絶望した!

ミッチー・ブーム (文春新書)

ミッチー・ブーム (文春新書)

歴史問題や皇室問題を扱った文春新書には傾向的(笑)なものが多く、この本もそのたぐいだろうと思っていたのだが、まともなひとがまともな文脈で評価しているので購入。皇室論というよりはメディア論なので、そういう方面に興味があるなら面白く読めるのではないかと。明仁皇太子(今上天皇)成婚にともない、裕仁天皇は譲位すべきだとの意見が保守派の学生で盛んになり、「そんなことをしたら、かえって天皇制の基盤が強化されてしまう」と進歩派の学生が反撥するなど、「たった50年前の過去」は意外なエピソードに満ちている。著者のあまりの若さに絶望しそうになったが。

植草甚一ではないよ

『ミッチー・ブーム』読了。『JJ』とはJosei Jishinの略であり、すなわち「開かれた皇室」報道をリードしてきた『女性自身』の増刊号としてスタートしたという記述に驚く。このふたつの雑誌が同じ出版社から刊行されていることすら意識していなかった。オレの脳内では女性向けのファッション誌は「何となくコンサバ」「何となくおハイソ」「何となくストリート」程度の色分けすらされていず、どの出版社から出ているかなど、まるで興味の埒外なのだと思い知らされる。唯一の例外はマガジンハウスと『Olive』だが、あれはカルチャー誌として受容していた側面が強い。

子供は屈託なく笑う

シネマヴェーラ渋谷で「長靴をはいた猫」を観る。細かいギャグにいちいち反応している客があり、何者かと思えば父親に連れられた子供であった。そうか、いまはまだ夏休み。いま日本映画データベースで調べたのだが、ギャグ監修が中原弓彦なのね。宇野誠一郎(このひとについては名前しか知らない)の音楽は、単体で聴いたらあまり面白くないのだろうな。それだけ「劇伴」としての完成度が高いわけだが。