モリ
『作家の猫』(ISBN:4582634222)を読んでから気になっていた、熊谷守一の美術館に行く。アパートから歩いて15分ほどのところにあるのだ。もともと私邸だったものを改装したため、あまり大きな美術館ではなく、展示作品も少ないが、魚や昆虫も含めたモリの動植物への愛が伝わる佳品ばかりであった。待望の「白猫」も観られ、満ち足りた気持ちで帰宅。
本日の注文
- 作者: 熊谷守一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2000/02/15
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
- 作者: いしいひさいち
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2006/08/05
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
冥王星に寄す
SF小説ではしばし冥王星が太陽系外への宇宙旅行の拠点として描かれるが、これはおかしい。太陽系からもっとも近い恒星(アルファ・ケンタウリ)との距離を測れば地球も冥王星も大差なく、地球に住んでいる人間が冥王星経由で太陽系外に出るのは、大阪に住んでいる人間が東京経由でニューヨークに行くようなものだ。そもそもアルファ・ケンタウリは太陽系からすれば垂直に位置するのであって、冥王星の「外」にあるのではない。
というのはもちろんオレの独創ではなく、SF作家の堀晃がかつて『マッド・サイエンス入門』(ISBN:4101424020)という著作で述べていたことだ。この指摘でオレが面白いと思ったのは、アルファ・ケンタウリは冥王星の「外」にはないという点。2次元(地球)のアナロジーで3次元(宇宙)を捉えると、思わぬところで破綻を来たすのであった。