2004-10-22から1日間の記事一覧

結論

少なくとも日本ではSFとミステリで、ハイカルチャーに対する温度差があったのは事実だろう。この事実を無視した上で、どちらも「大衆文化」にカテゴラズして文化研究をおこなうのは、いささか危険なのではないだろうか。

ミステリ

それに対してミステリは、ハイカルチャーや小説以外のジャンルと没交渉であった印象が強い。推理小説を好意的に評価した純文学関係者は多いが、実作品となると坂口安吾『不連続殺人事件』*1、福永武彦の「加田伶太郎」名義での作品*2、中井英夫『虚無への供…

SF

わが国における初の本格的なSF雑誌である『SFマガジン』は、1959年に創刊された。この雑誌の初代編集長である福島正実は「SFは単なる通俗読み物であってはならない」という強い信念を持っており、みずからのSF観に反する作家には原稿を依頼しなかったらしい…

前置き

以下の文章は1990年まではSFが好きでミステリにはほとんど興味がなく、1990年以降はSFをほとんど読まなくなり、もっぱらミステリを読むようになった者が書いています。そのため、かなり歪んだ「史観」のもとに書かれています。もし明白に間違っている箇所や…

SFとミステリひとつにするなかれ