結婚したい男性の最下位は人文系の大学院生!

ほえる犬は噛まない [DVD]

ほえる犬は噛まない [DVD]

2000年に公開された韓国映画をDVD鑑賞。見出しに使った文章は、テレビのニュースで報道され、主人公の友人が宴席で自嘲的に口にするもの。韓国で実際にこういうアンケートがあったのか、それともこの映画のための作った虚偽の情報なのかは、ハングルが読めず、韓国人の友人がいないオレには判断できない。
以前からこの日記で「人文系の大学院生や教師が主人公の漫画や映画は、『絵』にならないので成立しづらい」と主張してきたが、この映画は例外。「中途半端に実験的な作品だったらどうしよう」と危惧していたのだが、杞憂であった。ただし主人公が研究に没頭している場面などはほとんどなく、出世と就職のために学長に賄賂を贈るエピソードがいかにも「それらしい」だけ。主人公が現役院生(オーバードクターかもしれないが)である必然性はあまりない。
映画レビューサイトのm @ s t e r v i s o nに「筒井康隆/山下洋輔ファンにお勧め」とあるが、たしかに筒井ファンが面白がりそうである。滑稽さと残酷さの絶妙な混交。行き当たりばったりようだが、じつはしっかり計算されている構成。完全な社会不適応者ではないが、人格のどこかに「壊れた」ところを抱え込んでいる登場人物。いまひとつ意図が伝わりにくいが、印象に残る演出。「一般受けはしそうにもない、奇妙な映画が観たい」と思っているひとは、レンタルするなり購入するなりしても損をしないはずだ。ただし盲目的な愛犬家は除く。理由は観れば判る。というと、結局は観てしまうわけだが。
最後にひとこと。ある種のサブカル男子はほとんど全員がペ・ドゥナのファンだと思うのだが、違うだろうか。オレはもちろん好きだ。