小さな謎が解ける

今日は猫が失踪する(すぐに戻ってきたが)といった突発的な事件もあり、ばたばたと忙しいのだが、17:00までぽかりと時間が空いたので、下の本を読み始める。

見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行

見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行

いきなり惹き込まれる。決して万人向けの内容ではないのに、初版発行から1年ちょっとで5刷になっているのも理解できる。びっくりしたのは例のおぞましい「イラク自己責任」の三人(おぞましいのは三人ではなく、彼らを非難したマスコミとウェブ社会だが)と四方田犬彦が、同じ日に200メートルと離れていない宿に寝泊りしていたこと。もしイスラム原理主義者に拉致されたのが、四方田犬彦だったら日本のマスコミはどんな反応を示したのだろう。著名な知識人で大学教授の地位にある者が文化庁の許可のもとでかの地に赴いたのだから、意外と好意的に報道されたのかもしれない。日本はそういう国なのである。
あとオレは数年前にこの本の著者を、江古田にあるイスラエル料理店で見たことがある(これは過去にも何回か書いたが)。そのときは意外な感じがしたのだが、この本の記述からするとオレが彼を見かけたのは、彼がイスラエルに旅する直前となる。おそらく四方田氏は、実際に行く前にイスラエルの文化を少しでも知っておきたかったのだろう。長年の個人的な小さな謎が、これで氷解した。