本日の献本

ケータイ小説がウケる理由 (マイコミ新書)

ケータイ小説がウケる理由 (マイコミ新書)

毎日コミュニケーションズのTさんよりいただく。ありがとうございます。
ざっと目を通しただけだが文芸批評や文学理論のタームはまったく使わず、あくまでもビジネス的な側面からケータイ小説について分析している。昨日の『文学的商品学』が「文学のなかの商品」を論じているとするなら、この本は「商品としての文学」となる。「あんなものは文学ではない」と思うひと(オレもそのひとりだが)も、こういう本を読めば偏見が薄れるのではないか。
これは自戒を込めるのだが、「いい本を作れば自然と売れるはずだ」という思い込みは、そろそろ捨てたほうがいい。出版だって公共事業ではなく商売なのだから、もっとマーケティング的な視点から分析する批評家が増えてもいいのではないか(大塚英志はわりとこのようなスタンスらしいが、オレは彼の著作を読んだことがない。あとは蓮實重彦が純文学作家の新刊書を「ページあたりの単価」を計算しながら論じていたのには笑ってしまった)。