最近のお仕事とお勧めの文献
ソフトバンククリエイティブが週刊で発行している無料メールマガジンの「週刊ビジスタニュース」に、「大学院は出たけれど」を寄稿しました。『東京物語』くらいしか小津作品を観ていないのにこんなタイトルを付けるのはいかがなものか、というのはともかく、内容は読んで字のごとく、大学院(特に人文系)の出身者が置かれている苦境を、水月昭道『高学歴ワーキングプア』(ISBN:4334034233)で得られた知見をまじえつつ、個人的な経験を加味して論じたものです。ぶっちゃれば、「文系の大学院(特に人文・社会学系)には、安易な気持ちで進学するのはやめておけ」と言いたいわけですが。
もっとも人文系の大学院といってもどんな雰囲気なのか、知らないひとは知らないかもしれません。上記記事を読んで、もっと詳しいことを知りたくなったら、以下の書籍とブログをお勧めします。
- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/04/15
- メディア: 文庫
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- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 集英社
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でも企業の人事採用者が奥泉光を読んだら、「やっぱ、人文系の大学院生ってのは浮世離れした連中かもなあ」と思ってしまうかもしれません……
- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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大学という組織は決して「学問への純粋な情熱」に支えられているわけではなく、一般企業以上にいやらしい人間関係がはびこっています。でも必要な単位を取って卒業すればそれで充分だと思っている学部生にはそうした側面はなかなか目に入らず、院生になってから「大学ってこんなところだったのか」と愕然とするわけです。少なくともオレが大学に残って研究を続ける意欲を失った理由のひとつには、大学の「負の側面」を垣間見たことが挙げられます。
嗚呼院卒就職
大学院でジェンダー論を専攻したものの、博士課程に進まずに一般企業に就職した「ちだりん」さんのブログ。院生時代のログも残っているので、彼女がなぜ研究者への道を諦めて就職したかが、手に取るように判ります。就職したのが今年なので、大学院と企業をめぐる現在の関係が伝わります。