Ballade von der Sexuellen Hörigkeit

アダルト系の編集プロダクションに勤務していた経験もあって、オレはフリーランスになってからもアダルト系の記事を手掛けたことがあった。そのたびに「ああ、オレにはポルノを書く才能がない」と痛感させられた。どうにもオレは読者の劣情をダイレクトに刺戟する文章が書けない。そういう文章を書こうとすると、ついつい衒いや照れが混じって、ブレヒトみたいに(というのはいささか大袈裟か)、セックスを皮肉な視点から描いた文章を書いてしまうのである。
ゆえにオレはまっとうなポルノを書ける作家やライターは、かなりの才能の持ち主だと思い、無条件に尊敬している。