アルジェリアからの攪乱者

以下は朝日新聞の書評より。
バティスト・ブランシェ、チボー・フレ=ビュルネ『ジダン
http://book.asahi.com/review/TKY200711200310.html

 サッカー・フランス代表、ジダン主将の頭突き事件で幕を閉じた感さえある06年ドイツ・ワールドカップ。イタリア代表DFマテラッティの挑発の言葉をめぐる大騒ぎが懐かしい。「髪形の乱れをからかった」説から「フーコーが死んで以来、フランス哲学はクズ同然と罵った」説までもが当時ジョークとして飛び交ったものである。

この「フーコーが死んで以来」で、不謹慎ながらもちょっと噴き出しそうになった。たとえ他愛のないジョークとしても、ジダンが共感を抱いているフランスの哲学者がいるとするならば、フーコーよりは同じアルジェリア出身であるデリダのほうが「それっぽい」と思ったからである。果たしてデリダジダンがおたがいのことをどれだけ知っていたのか、また知っていたとしてもどのような評価を下していたのか、デリダが故人となったいまとなっては知る手掛かりに乏しいのだが。

ジダン

ジダン

Derrida

Derrida