漫画の改稿について

今日は漫画に触れたので、ついでにかねてから疑問に思っていたことも書く。雑誌に連載された小説や評論を単行本にまとめるとき、著者が大きく改稿するのはありがちである。まったく改稿しないほうが珍しいだろう。そのやりかたも判っている。たとえば不要だと判断したパラグラフがあったら、そのパラグラフをぐるりと取り囲んで「トルツメ」と指定すればよい。あとはまあ、編集者やデザイン事務所や印刷会社がどうにかしてくれる(と、甘えすぎるのもよくないが)。
しかし漫画ではどうか。不要だと判断したコマ(オレは散文作品におけるワンパラグラフは、漫画におけるひとコマに対応すると考えている)を「トルツメ」しても、不自然な余白ができるだけだ。その余白を埋めるためには1ページのコマ割りを全面的に変更しなければならない。さらにはページ数の帳尻を合わせるために、1話ごとまるまる描き直さざるをえないこともあるだろう。フルデジタル環境を導入している漫画家なら、こうした作業をそれなりに簡単にできるのかもしれない。しかしいまだにペンと墨汁にこだわっているとなると、かなり煩雑な作業が要求されるのではあるまいか。どういう手順で行なっているのだろう。世の中、オレの知らないことだらけである。