嫌米流

以前、なぜ小田実が「へんな右翼」呼ばわりされたのかよく判らないと書いたが、『何でも見てやろう』を読み進めているうち何となく理由がつかめてきた。どうやらアメリカ政府のフルブライト留学制度をちゃっかり利用して世界一周の旅に出たのが、生真面目な反米左翼の反感を買ったようだ。ロックフェラー財団奨学金で旅に出た大岡昇平にも、同じ非難の声があったはずである(いずれも正確な該当箇所が見当たらないのがもどかしいが)。こういう教条主義的な反応に対しては、「安くて便利な制度だったら、どこの国のものを利用したっていいじゃないか」と思ってしまうオレは、真性の左翼ではないのだろうか。