男子校への偏見

フラワー・オブ・ライフ (1) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (1) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (2) (Wings comics)

フラワー・オブ・ライフ (2) (Wings comics)

フラワー・オブ・ライフ (3) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (3) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (4) (ウィングス・コミックス)

フラワー・オブ・ライフ (4) (ウィングス・コミックス)

ひたすら楽しくて悲しくて美しい、東京の高校1年生たちの物語。ボーイズラブ的な要素はないので、これまでよしながふみを敬遠してきたひともぜひ。「オレの高校時代はこんなに楽しくなかったぞ」と憤慨する読者がいるかもしれないが、実際の生活がつまらないからこそひとはフィクションを求めるのではないか。性格も成績も最悪で、「クラスから浮いている」ことに逆説的にプライドを感じる長身眼鏡男子の真島に一方的に感情移入する。
ところでどこまで本気なのかは判らないが、『耳をすませば』や細田版『時をかける少女』を観ると鬱状態になると主張するひとがいる。要するに「オレの学園生活はこんなに楽しく(あるいは美しく)なかった」と言いたいのだろうが、彼らは『フラワー・オブ・ライフ』にも同じ感想を抱くのだろう。以下は無根拠な憶測になるが、この手合いは中高一貫制男子校の出身者ではあるまいか。クラスメイトに異性さえいれば、自分の学園生活はもっと華やいだのではないかと思い込んでいそうな気がする。でもクラスや部活に女の子がいてもそんなに楽しいものではないと、腐女子の牙城だとは知らずに新聞部に入部して恐ろしい目に会ったオレは主張するのであった。