「ゆめをかたることは/らくないとなみだろうか」

由良君美が東大を定年退職し、還暦を迎えたことを記念した『文化のモザイック』という大著に矢川澄子が短詩を寄稿している。

ゆめをかたることは
らくないとなみだろうか
きびしさをかくごで
みずからのみちをゆく
よのうきしずみをよそに
しぶとくしかもしなやかに
四方田犬彦『先生とわたし』(ISBN:4103671068よりの再引用。

各行の冒頭を拾い上げれば「ゆらきみよし」となるのは、おのずと理解できるだろう。
唐突にこの詩を引用したくなったのに他意はない。