courtiser

マイクロソフトとヤフーが合併交渉に入ったのは日本でも大きく報道されているが、フランスの高級日刊紙「ル・モンド」は「Pour contrer Google, Microsoft courtise Yahoo!(グーグルに対抗するため、マイクロソフトはヤフーをcourtiseする)」と伝えている。「courtiser」はどことなく見覚えのある動詞だが正確な意味を思い出せないので仏和辞典をひもとくと、「お世辞を言う、おもねる、[女性に]言い寄る、口説く」と出ている。そうだそうだ、「courtisanne」は「高級娼婦」という意味で、19世紀の文学作品ではさんざんお目にかかった言葉であった。こういう微妙な含みを持った単語を見出しに持ってくるのが、いかにもフランスらしいというか、「ル・モンド」らしいというか。オレの考えすぎかな。

追記

という文章を載せた直後、Yahoo!「その気がない」ので、合併話はなかったことになるらしいとの情報を得た。だとしたらMSはYahoo!に言い寄ったものの、体よくフラれたことになるわけで、「courtiser」という動詞の選択はなかなか的確だったわけか。

追記の追記

日本のマスコミだって「秋波を送る」や「熱いラブコール」という表現を使うのだから、「ル・モンド」が「courtiser」を使うからといっていちいち気にしている自分がおかしいのではないか、と思えてきた。