大正・昭和レトロ

幻影博覧会(1) (バーズコミックス)

幻影博覧会(1) (バーズコミックス)

幻影博覧会 2 (バーズコミックス)

幻影博覧会 2 (バーズコミックス)

冬目景はむかしから書店で表紙を見るたびに「うまい絵を描くひとだなあ」と感心していたのだが、作品を読むのはこれがはじめて。1巻まで読了。ミステリとしては薄味だが、「大正・昭和レトロ」的な雰囲気は嫌いではなく、何しろ絵が達者なので、なかなか楽しめた。とりわけ探偵助手の高苑真夜嬢が魅力的。ユニセックスぶっきらぼうなショートカットの美少女にはどうにも惹かれてしまう。こういう男性にかぎっていざとなると(「いざ」とはしかしどのようなときか)、「女らしさ」を全身から振りまいている女性が好きな男性よりも始末に終えないものだが。あ、話がどうでもいい方向に逸れた。
あと身辺(正確に言えば「ネット辺」か)に気になることがあって、いまひとつ物語世界に集中できず。「ミステリとしては薄味」と思ったのも、それが原因なのかもしれない。Web2.0は人間を疑心暗鬼に陥らせるツールだよ、うぎゃー。
それからネタバレおよびあら探しになるが、アインシュタインが来日したとき(1922年)はナチスはまだ大きな影響力を持っていなかったはずなので、第六話の「遠來の客」は物語として成り立たないのではなかろうか。