「君の本は絶版だ」

ジェラールとジャック (白泉社文庫)

ジェラールとジャック (白泉社文庫)

素晴らしい。恋愛ものとして「読ませる」のはもちろんのこと、フランス革命前夜から第一共和政初期(ロベスピエール失脚)までを物語の背景にしているのに、きちんと必然性を持たせているのに感嘆する。登場人物の内面を描くことだけに終始せず、歴史のダイナミズムを取り込むこうした手付きが、よしながふみが男性からも支持されている理由かもしれない。