立ち読みとP2P

ところで中野氏は漫画産業が発展してきた要素として雑誌を重視し、現在の読者が雑誌中心から単行本中心の読書スタイルへと変化していることに危機感を持っているようだ。「漫画を雑誌で読む」という習慣がなぜか身に付かなかったオレは、ここで平身低頭したくなってしまう。
それではどうして漫画が好きになったのかと考えるに、むかしの書店では漫画の単行本がビニールパックされておらず、自由に立ち読みできたという事情が大きい。おかげで小学生のオレは、自分の小遣いではとても買い切れない量の漫画を読むことができたのだ。期せずして素朴なP2Pソフト擁護論と似通ってしまうが、文化にフリーにアクセスできる環境がないと、若いファンは育たないと思うのであるよ。