モード的
- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/10
- メディア: 単行本
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これ、実は松本清張の手法を随所で使ってるんですよ。探偵をあちこち移動させてトラベルミステリーにしているところとか、謎は解かれるんですけど、結構偶然に頼っているところとか。(巻末のインタビューより。強調は引用者による)
どうもこのひとは「創作の意図」をインタビューやエッセイであっさり語りすぎる嫌いがある。だからといって面白さが減じるわけではないのが、不思議なところ。
あと登場人物の名前に関して、物語的な必然性があるのではないかと思えるくらい派手な校正漏れがあるような気がして、何やら落ち着かぬ心持ちで読み終えたのだが、最初のほうを読み返して、自分の勘違いであったと気付く。『グランド・ミステリー』(ISBN:4048730894)には「物語的な必然性があるのではないかと思えるくらい派手な校正漏れ」があったので(文庫版では修正されているようだが)、どうにも気になったのであった。