ガクセー1

言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書)

言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書)

遅ればせながら読んでいる。こういう本を読むときにいつも困るのは、戦前と戦後の学制の違い。かつて「中学」「高校」と呼ばれていたものが、いまの「中学」や「高校」とは別物なのは理解しているが、「中学生」や「高校生」にいかなるコノテーションが込められていたのかまでは、なかなか理解できない。Wikipedia学制改革で大まかな輪郭はつかめるが、これ以外にもいまでは存在しない職業軍人を養成するための学校(『言論統制』を読むのに必要なのは、むしろこちらの知識)まであるのだから、どうにもややこしい。
ちなみに地方出身であるオレは上京する前までは、現代日本を舞台にした小説の多くが読者が東京の地理を知っているのを前提にして書かれていることにかすかな苛立ちを覚えていたのであった。