クラス・コンシャス

それにしてもある時期までの日本のクラシック音楽関係者は、判で押したように「良家の子弟」ばかりである。斎藤秀雄にしても、あの斎藤秀三郎の子として生まれたおかげで、経済的に困窮することなく音楽だけに打ち込めたようだ。「まったくの庶民の子供として生まれ、苦学してトップスターの座に登りつめた」というサクセス・ストーリーが似合うのは、武満徹ぐらいなのかもしれない。