マスタニ

増田聡/谷口文和『音楽未来形』(ISBN:4896918991)読了。マス、タニ両氏とはこの種の問題をめぐって、すでにネット上や対面で議論してきたこともあり(まあ、こっちが一方的に拝聴してきただけなのだが)、さらりと読めた。といっても「『音楽とデジタル』の現在」に関するお手軽な入門書では決してない。「楽譜を読み書きするリテラシー」と「音楽的才能」がイコールだといまだに思い込んでいるひと、そうした「素朴な」ひとに苛立ちつつも、有効な反論ができずにいるひと、いわゆるダンスミュージックを「新世代の音楽」として高く評価するあまり、先行するポップ・ミュージックや「芸術音楽」を過小評価しがちなひと、いずれのレイヤーに属するひとにとっても新鮮な発見があるはずだ。とりわけDJ文化を論じた第3章と第4章は、id:gotanda6さんあたりの建設的な突っ込みを俟ちたいところ(笑)。

なーんて、オレがここで噴き上がるまでもなく、手に届くべきひとのところには、すでに献本されているのかもしれないが。