酒追放


どうも家に酒を置くと気がかりで、そんなに呑みたくもないのに、ただ、台所から酒を追放したい気持から、がぶがぶ呑みほしてしまふばかりで、常住、少量の酒を家に備へて、機に臨んで、ちよつと呑むといふ落ち着き済ました芸はできない。

太宰治「酒ぎらひ」
嵐山光三郎文人悪食』(ISBN:4101419051)より孫引き。オレもまた落ち着き済ました芸のできぬ男ではある。